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皆さんこんにちわ!

ハンガリーも少し気候が落ち着いて現在の気温も3℃までになりました☀

まだこれから寒い時期はくるでしょうけど体調に気を付けて頑張ります。

今日は多くの外国人選手「特にハンガリーの選手」の弱点が浮き彫りになっ た所が見えたのでそれを書きたいと思います。

「ハンガリーの柔道選手の弱点は何か?」と問われた時に僕なりに以下の考えが思い浮かびました。

1.膝や手首が固く、柔道の動きに制限がある

2.自分より力の強い選手に奥襟や背中を持たれたときの対処法が分からない

3.奇襲技「巴十字や引き込み十字など」を使用しない

4.立業から寝技に移行するのが下手。特に自分の技がかけ潰れた際に多くの選手の首がガラ空きで直ぐに締められる

5.背負い投げや内股が出来る選手が少なく、国内では多くの選手の得意技が袖釣り込腰や隅返しであること

ざっと書いただけでもこんなにあります。

1から説明します。

① 数多くの国内試合や合同練習「子供から大人までのカテゴリー」を帯同して観察してみてまず目に浮かんだのが選手達の膝や手首の固さ。

この状況は特に子供に多いです。ハンガリーの少年柔道では組手制限が無く、奥襟や背中を持ち放題です。

ですから指導者も子供達に奥襟や背中、肩越しから組む柔道を教える傾向に走ります。その方が教える方も教わる方も楽ですからね。

前襟で柔道を教えるとなると相四つと喧嘩四つの状況、相四つと喧嘩四つで奥襟を持つ相手の組み方、相四つと喧嘩四つで背中を持ちに来る相手の組み方、相四つと喧嘩四つで前襟で柔道をする相手の組み方等々、前襟で柔道をすれば様々なシチュエーションが出てきます。

このシチュエーションにまだ幼い子供達が前襟で対処するのは指導者に相当な指導力がないと正直キツイです。ましてやハンガリーは国内ポイント制が設けられており国内で成績の高いクラブ順に連盟から高い配当金が貰えますので長い目で選手を育成する指導方法ではなく、目先の試合結果に走ります。

ですのでポイントが欲しいクラブの指導者はその時に勝てる指導方を選手に教えるのです。

その結果、ジュニアやシニアに上がって各国が基礎から叩き込んで組織として作り上げてきた柔道に対応できずに勝てなくなる傾向があるのではないかと考えました。

私のクラブの若い選手にも奥襟や前襟をきちんと握って打ち込み、技を掛けれる選手は少ないです。

奥襟を持たせてもしっかり親指を入れて手首を立てれずに相手のうなじに手を添えるような持ち方ばかりします。

これはきちんと小さい頃から襟の持ち方、手首の使い方を教わってないからなんですよね。

ポイントが大事なのはコーチの生活も掛かってるので気持ちは分からなくもないのですが、それでは今後のハンガリー柔道は進化せずに技術が止まったままになるのが目に浮かびます。

実際にカデ、ジュニアで活躍した選手がシニアになって全く勝てなくなった選手を何人も見てます。これは推測じゃなく現実です。

子供の時から勝利至上主義の指導に走るとその選手を潰します。まずは受け身や回転運動、打ち込みからきちんと出来るまで指導するべきです。

受け身の重要性を軽視してますこの国は笑

受け身がきちんと出来る子供は身体の使い方が上手く、打ち込みや組み手でも感覚を直ぐに掴めれるようになります。

私は大学時代に光本先生に受け身やエビ、逆エビの動作まで最初からキチンと教わりました。

不思議と身体の感覚が澄み渡り、寝技でも対処法が瞬時に頭によぎって体が動いたり、組み手でも無意識に自分の組み手になれたりとすることも多々あります。

ハンガリーの選手は前周り受け身やエビ、逆エビをきちんと出来る選手が恐らく国内に10人いるか、どうか。笑

貴方達は技術、体力うんぬんをやってる場合じゃないですよと。まずは受け身や基礎運動からやらないと笑

膝が固い選手に多いのは上半身だけが以上に強い選手が多いです。下半身の基礎運動やスクワットトレーニングをあまりやらないからですかね。

それ故に背中を持たれると意外と受けが脆かったり、ちょっとした足技ですってんころりと転んだりします笑

例えるなら騎馬戦で、1つの騎馬で馬役の3人が普通の一般人で馬に乗ってる人がボブ・サップ並に強いとします。

相手の騎馬は馬役の3人がセーム・シュルト並の屈強な男で馬に乗ってる人がボブ・サップ程ではないけどもバダ・ハリ並の体格と力があるとします。

この両者が騎馬戦で対決すれば相手の騎馬が間違いなく勝つと思います。馬に乗ってる人同士が戦う前に馬3人がぶつかりあえば力と身体が強い馬が勝つので勝負をする前に馬同士の戦い「押し合い」で勝敗が既に決まるからです。

柔道も同じでいくら上半身が強くても下半身が弱ければ相手の技を全身で受け切ることは出来ません。且つ膝が硬ければ相手の足技の切り返しや連絡技に対応できずに崩れてしまいます。

日本人は小さい頃から基礎体力運動や組み手、いなし方など徹底的に反復して練習しますので少年カテゴリーで勝てなくても、高校や大学から突然化けたり軽量級だった選手が成長期で大きくなって急激に柔道が伸びたりなどよくありがちですが、ハンガリーではそんなことはまず目にしません。

日本の柔道はそれが面白い部分でもあります。

ですのでハンガリーは先ずは基礎体力、基礎知識から徹底的にやらなければ一寸先は闇です。

②背中や奥襟を持たれて弱い選手は下記に記した通り、前襟で持つ柔道を知らない為に同じ柔道スタイルで力が強い選手とやると何も反撃出来ません。

90kg級のトート・クリスティアンは例外で前襟中心の柔道をし、背中を持つことも出来ますので外国人選手とも戦えれる柔道スタイルです。

ですが多くの選手は組み手の重要性に欠けてしてるものですから対応が出来ず、負けるパターンが多いです。

練習から前襟で持って手首や組み方に慣れる練習をする必要がありますね。

③.奇襲技を使用する選手が本当にこの国は少ないです。というよりも見たことがない。

投げを重要視する傾向があるハンガリーでは、如何に相手のペースを崩すかというよりもどうすれば相手を投げれるかを見てるからです。

いくら投げ技に威力のある選手でも奇襲技や組み手のパターンが無ければ怖くも何ともないです。

ですが奇襲技や燕返しといった返し技が1つあるだけで試合の流れを運ぶペースがだいぶ違ってきます。

うかつに相手も技を掛けれずに躊躇するからです。

これからは柔術やサンボといった異種格闘技の技術を取り入れるのもハンガリーの新しい一歩になるんじゃないかと勝手に考えています。

④技が掛からなくて、掛け潰れた時に首がガラ空きの選手が本当に本当に多いです。

「わざとやってるのか?」というくらい…

下記にも書いた通り投げる事を重要視するハンガリー。それは間違いではないのですが、乱取りを観察してて分かるのが試合じゃない故にかけ潰れた時に気を抜いてる選手が多いです。

日本だと乱取りとはいえ直ぐに締められてしまいます。

ハンガリーでは乱取りまでの打ち込みや投げ込みが無駄に長い事もしばしば…

乱取りに入る頃には集中力も体力もかなり消耗してるのでそういった細かい部分にも気が回らなくなるのです。

私はクラブ生には空きあらば直ぐに締めを狙いに行きます。

危機感を体に覚えさせるためです。

細かい部分での指導がこれから必要になりますね。

⑤最後に技について。

ハンガリーの選手は背負い投げや内股を得意技とする選手が少ないです。

「例外で男子の90kg級のトート選手は背負い投げ、57kg級のカラカシュ選手は内股が出来ます」

これが何故かを推測すると内股と背負い投げにはバリエーションが豊富で容易に習得する事の出来る技術ではないからです。

内股でもそのまま入る内股、斜めに入る内股、振り子で入る内股、ケンケン内股等々沢山あります。

背負い投げでも、相四つでそのまま入る背負い、喧嘩四つで入る背負い、喧嘩四つで背中を持たれた時に入る背負い、奥襟を持たれた時に入る背負い、片襟の背負い、韓国背負い、釣り手のみの背負いと数えたらきりがないですね…

これらの技術をちゃんと出来る、教えれる指導者がいない故に国内の選手は袖釣り込腰や隅返しといった器用じゃない選手でも習得が背負い投げや内股に比べて容易な技術を多用します

※袖釣り込腰や隅返しを決して軽視してるのではないので悪しからず。

それはそれで良いのですが袖釣り込腰や隅返し、大腰等は部位を持つ場所が制限される上に相手にポイントをリードされた場面になると簡単には取り返すことは出来ないです。

背負い投げや内股も相手を後方に投げる技なのでポイントをリードされた場面で取り返すのは容易では無いですが、基本前襟を持ってかける技なので圧の掛け方は他の技に比べて掛かりやすいですし指導も取りやすいのではと考えています。

個人的に理想なのが内股か背負い投げがのどちらかが軸となる得意技にあってそれを支える技術として大内刈りか小外刈の様な相手を前方に投げる投げ技があればより試合で勝つパターンが増えるのではと思います。

ポイントを取られてリードされると相手は投げられまいと後ろに下がりに行きますが、大内刈りや小外刈といった相手を前方に投げる技は相手が下がれば下がる程掛かりやすくなる技です。

それ故に相手も下手に後ろに下がることも出来ないので前に出てきた所を内股や背負い投げで合わせて投げるといったパターンが選手に出来ればだいぶ安定した柔道スタイルが出来るんじゃないかなと、勝手に考えました笑

長くなりましたが以上、ハンガリー選手の弱点を書いてみました笑

今日はもう眠いんでこのへんで🎌😪😪😪

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