スポンサーリンク
さて。
コロナ禍になって約2年ぶりのOTC国際合宿に参加。
場所はチェコ🇨🇿にあるNymburk(ニュンブルク)という田舎の町にある総合体育館。
とはいえ歴史ある国際合宿のようで昔から開催されている模様。
今回の合宿には20カ国以上の国が参加しに来ていた。
その中には戦時中のウクライナ🇺🇦の選手やコーチの姿も。
その詳細については来月掲載される『近代柔道』のコラムの方へ綴りたいと思うので是非ご一読を🙏
私自身は実に3年ぶりのこのチェコ🇨🇿の合宿であり今回もとても楽しみにしていた。
道場に入るとそこには名だたる選手達が沢山、稽古に向けて準備をしていたのだ。
イラン🇮🇷出身でモンゴル🇲🇳代表のサイード・モラエイやイタリア🇮🇹のファビオ・バジーレ、ベルギーの新世界王者のマティアス・カッセ🇧🇪、五輪二階級制覇&ニ連覇という大偉業を果たしたチェコのルーカス・クルパレク🇨🇿などなど…
世界に名を馳せてる選手達が沢山いた。
私は今回、モラエイ選手の友人であるタジキスタン🇹🇯のコムロンショフ・ウストピリオン選手と会話をしてきた。
ウストピリオン選手は2015年アスタナ世界選手権で後の世界王者になったオランダ🇳🇱のノエル・ファンテンド選手に勝ち5位入賞を果たした選手でアジア選手権でも優勝を含め数多くの戦績を残してきた90kg級の強豪選手。
彼は3歳のときに柔道の指導者であり道場のオーナーであった父親の影響で柔道着を着たそうな。
彼いわくタジキスタン🇹🇯で柔道は国内で物凄く人気の高い競技であり競技人口の数も物凄いのだとか。
ウストピリオン選手とモラエイ選手はジュニア時代からの仲でありよく大会や遠征で一緒になり仲良くしていたそう。
両者はペルシア語を使い会話をしていますが、英語を使って会話をするときもあるそうだ
そして驚いたのが今回の合宿にウストピリオン選手は飛行機代が高いという理由で車でタジキスタン🇹🇯からドイツ🇩🇪のデュッセルドルフまで車で来てそこからモラエイ選手と2人でチェコ🇨🇿まで来たというのだ。
タジキスタン→ドイツ→チェコを飛行機代が高いという理由だけで車で来る…
グーグルマップで検索しても出てこない距離である。
本当にクレイジー。。。
そしてウストピリオン選手は母国のタジキスタン🇹🇯から隣国のウズベキスタン🇺🇿まで車で1時間程の距離でよくウズベキスタン🇺🇿まで練習にも行くとか。
東京五輪銅メダリストでアジア王者でもあるダブラト・ボボノフ選手とも仲良いみたいでよく連絡してるそうな。
そしてウストピリオン選手は二年前から日本人の指導者を探してるみたいで実は僕と彼との出会いは二年前のデュッセルドルフ🇩🇪大会後の合同練習のときだった。
僕が選手と共に道場でトレーニングをしていると隣りにいた彼が僕に話し掛けてきたのがキッカケで。
知らないうちに大会や遠征で会うたびに声を掛けられるようになってしまった。笑
いつも「コ〜チ!コ〜チ!」と野太い声で僕に話し掛けてくるウストピリオン選手。
今回も「コ〜チ!タジキスタン🇹🇯に来る気になったかい?ハンガリー🇭🇺とタジキスタン🇹🇯。よく似てる国じゃないか。もしかして道着の胸の国旗のマーク、これ🇹🇯(タジキスタン)じゃないか?」と冗談を言っきた。笑
僕は今回、所用でモラエイ🇲🇳選手と話す機会があったのだがマブダチであるウストピリオン🇹🇯氏と三人で話をする良い機会に。
ウストピリオン選手とモラエイ選手は寝食を共にするほど仲がよくまるで兄弟のようなそんな雰囲気が出ている。
そして今回もあの男に僕は話しかけた。
ファビオ・バジーレ🇮🇹。
「ゲンキデスカーーー」と流暢な日本語が隣から聞こえてきた。
振り返ると眩しい笑顔のファビオ君が😅
彼は暑いときに「サムイ」と言い、寒いときに「アツイ」という男です。
今回はイスラエル🇮🇱代表、女子のプリモ選手とも乱取りをしていた。
「オオウチ!オオウチ!」と言って出足払いで投げてるのもまたそこに彼らしさが出た。
ファビオ君は今回の合同練習でも気合いの入った稽古をしていました。
モラエイ選手🇲🇳や三階級上のセルビア代表のアレクサンダー・クコイ選手🇷🇸、カッセ🇧🇪選手やウストピリオン🇹🇯選手とも乱取りをしていた。
それも休まずにずっとずっと…
ある日、足の爪先の指を脱臼する大怪我を負ってしまいましたが彼はテーピングで固めて尚、稽古を続けた。
強い選手は稽古をするんだ、痛い顔はしないんだ。
そう思わせる様な戦いぶりにさすが元王者は違うなと感心させられた。
彼を長年見てきた村上清先生によると
「彼は頭のネジが千本ほど取れてるが本当によく稽古もするし取り組む姿勢も最初の頃と比べて格段と変わった。」と言っていた。
今回の合宿でも沢山のイタリア🇮🇹の選手やコーチ達がファビオ君含め村上先生の方へ「マエストロ〜」と言いながら寄ってはハグしたり嬉しそうな顔で話しかけたり…
僕はそれを見ながら「いつか自分も歳を重ねてハンガリーを離れたときにこうやって選手達から好かれるようになりたいな」と思った。
話は変わって今回の合宿では僕の予想通りの結果になった。
ハンガリーにいるときに「練習相手がいない」と嘆いてた若い選手達。
今回の合宿では世界屈指レベルの選手が沢山いて量も質も申し分ない。
「彼らのモチベーションと体力は持って初日、二日だろうな」
そういう話をコーチと話していると案の定、その通りになった。笑
2班稽古で1人6本の乱取りがあるなら続けて立って10本でも11本でもやればいいのだ。
何も本数だけを賢く守らずに最後まで戦い抜く。
君達は練習相手がいないと言っていたのに、結局どこに言っても言うこともやることも一緒なんだなと。
まずは意識改革から始めないといけないと痛感した。
国内での競争に選考。
これからもっと厳しく険しくなるだろう。
ただ稽古を積む者や真面目な者には実力関係無しにチャンスが与えられる。
自分の取り組む姿勢、努力次第で幾らでも掴み取ることが出来るこのシステムは他国にはないものではないだろうか。
それにいち早く気づけた者が上へと一段上がれるようになるのではないか。
そして僕もまだまだ選手達を動かす充分な配慮や力が足りない。
コーチとして力不足も感じてる。
自分の課題も忘れてはならない。
スポンサーリンク
コメントを残す