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自分のクラブ事情はよく知らなかったけど、ウングバリ兄弟世代がシニアに上がる前は下の世代のジュニア、カデ、その下のデアーク(U15)の選手は全く居なくて、10年近くウングバリ兄弟とその他のみでクラブ指導をしていたらしい…笑
今の20歳の子達が小学生の時にようやく下の世代の選手達が育ち始めたという。
だから僕が今のクラブに来た時ジュニア、カデだった子達の年代からようやく人数も集まり試合で戦える選手達が出てきたみたいです。
10年間が空くってやばい… ウングバリ兄弟が超ベテランで頑張り続けてる理由はその間にクラブを潰さない為だったのかもしれない。
兄のミクローシュ氏は御年40歳、弟のアッティラも御年32歳と日本の競技人生を考えるとかなりのベテラン。
話を変えますがコロナ禍で目標が無くなり、各クラブの有望選手が柔道を辞めて仕事や勉強に取り組む子達が増えていて僕のクラブでも5人くらい辞めました。
女子の世界ジュニア覇者のウズバス・ソフィ選手もその1人で非常事態宣言時から練習に来なくなり、大学の勉強を優先する形でクラブから去りました。
一応所属を変えてブダペストで柔道は続けてますが、所属先がルーマニアの国境沿いにあるクラブでブダペストではコーチ不在のまま練習している様です
日本で例えると実業団に所属しながら大学を転々としながら練習している感じです。
日本だと自分で研究したり稽古先の先生や関係者から助言を貰いながら練習する事は可能ですが、ハンガリーだと状況がかなり異なります。所属が違う選手が練習に来てその選手を稽古先のコーチが指導するのは難しいのです。
理由を国内のシステムに絡めて説明すると、各クラブの選手は所属先のクラブに会費を払う代わりに練習へ参加し会費を払う事によって初めてコーチから指導を受ける権利を貰えます。
この辺はまだまだ日本のスポーツには浸透していない部分です。ボランティア精神が根強く美徳化されてるからです。
勿論、ボランティアが悪いとは言いませんがクラブやコーチは場所と時間、知識を【価値】として提供しているので会費を払う事によってサービスが発生します。こういったことはハンガリー及び各国ではそれが当たり前の考え方です。
何より他所属のクラブ生を他所のクラブのコーチが指導し続けてその選手が結果を出しても国内で評価され金銭面やスポンサーからサポートされるのはその選手が所属するクラブで、直接教えてる他所のクラブやコーチには一切そういった見返りが無い為、当然ながらそういった背景もあるので基本関わりません。
難しい問題ですが日本とは違い、所属先と別の場所で練習をし続けて技術を身につけるのはハンガリーでは至難の技です。
彼女は勉強を優先しているので柔道に対するモチベーションはそこまで今はもう高くないと思いますが、自分の選んだ道なので最後までやり切って成功を掴んでほしいです。
他にも8月、9月に予定されてた試合や合宿が中止になった為にモチベーションが無くなり仕事を始めて大学へ行く準備をする者も増えてきました。
今クラブに残ってる選手は子供を含めて柔道が好きな人間か目標を先まで見据えた人間のみとなりました。
だから思いまし。 勝つこと以外にもっと柔道の楽しさや魅力をちゃんと教えていれば柔道から離れる子達を最小限に留めることは出来たのではないかと。
勝利至上主義だと試合で勝つ事が大前提ですのでその試合の機会が無くなれば、何も残らない訳で。
更に欧州では柔道を生業として生計を立ててる選手が多い為、試合をする機会が無ければ収入源も無いので働かざるを得ません。
国内代表クラスならスポンサーや奨学金、連盟からの普及があるからまだしも3番手、4番手ともなればクラブの給料だけで生活するのは困難。
厳しい現実にぶち当たってます。
幸いにも僕が所属するクラブは最近、チビッ子がわんさか柔道を習い来る様になりました 皆、天使の様に可愛いです。
今試合が出来ない状況だからこそ受身や基本動作といった怪我をしない為の基礎能力を身に着けさせ、ゲームや競争を取り入れて柔道から離れさせない努力をする時かもしれません。
「こういう状況だからこそ鍛える」という考え方のハンガリー人ももしかしたらいるかもしれませんが個人的には既に書いた通り、先ずは怪我をさせない為の受身や基礎動作や基礎運動能力を身に着けさせたいという思いです。
出来たらそれ以外の礼法やマナーといった部分も学べたらいいですね。
僕はチビッコのコーチではないので他のコーチにそこは任せてます。
コロナ禍でますます柔道や他競技の価値観が世間から薄れつつありますが柔道含めスポーツには人々の生活や心を豊かにする力があると僕は思います。
こういう時だからこそ!
それをちゃんと理由まで説明出来る事が指導者の役割かなと
コロナのせいで柔道や他のスポーツから人々がどんどん離れていくのは悲しいですよ…
直接関わってた生徒だと尚更責任も感じます。
取り敢えず皆さん、前向きに頑張りましょう。
あるく近柔ことカイダのTwitterはこちら:@kenzou0405
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